『ニールスのふしぎな旅』


f0097528_8442266.jpg先日、メルマガで「ニルスのふしぎな旅」にはまっていると書いたら、知人がなんと昔の訳本を持ってきてくださいました!



その方は絵本がとてもお好きなうえにたいへんお詳しい老紳士で、わざわざご持参いただいたのはなんと1953(昭和28)年出版の矢崎源九郎訳(抄訳)版。岩波少年文庫で上下2巻、とてもきれいな状態でお持ちくださいました。

f0097528_8443637.jpgニルスではなくニールス、なところに時代を感じますね。表紙も可愛いのですが、裏表紙の狐(たぶんレックス!)の絵がアニメのひょうきんな狐とはまた違って素敵です。それに巻頭にある地図!これは地図が大好物の隊長でなくともソソられますねぇ(笑)。
老紳士ご自身も、とても懐かしいのに実は内容はすっかり忘れていて、改めて読みながらワクワクしていると仰っていました。『「ニルス」に学ぶ地理教育』(ナカニシヤ出版)の著者村山朝子さんもまったく同じことを仰っていて、小さい頃に何か凄い冒険物語に惹き込まれた記憶はあるのに、肝心の内容はほとんど思い出せない…、そんなことってありますよね。

ニルスについて改めて知った驚きは、村山さんの著書によると原書の初版(1906年)からわずか12年後の1918(大正7)年には香川鉄蔵による初訳(このときの題はなんと『飛行一寸法師』!)が出されていたということ。香川氏は当初ドイツ語訳本から翻訳されたそうですが、それにしても今とは情報の速度が違うのに、スウェーデン語で出版された本がそんなにも早く日本で紹介されていたなんて!それだけ、ニルスの物語は国境を越えて人を惹きつける魅力にあふれていたということでしょう。(香川氏はニルスへの強い関心からスウェーデン語も熱心に学ばれ、完訳にも長年取り組まれていたものの、亡くなられた後にご子息の香川節氏がそのお仕事を引き継がれて共訳としてついに1982年に刊行されました。そのほか非常に興味深いお話が『「ニルス」に学ぶ地理教育』にありますので、ご関心のある方はぜひご一読を♪)

ちなみに隊長はさらに著者セルマ・ラーゲルレーフによる幼少期の思い出話『モールバッカ ニルスの故郷』(新妻ゆり訳、柏艪社)も読んで「いたく感銘を受けた」との由。100年以上前のスウェーデンの片田舎の生活が、セルマ・ラーゲルレーフの叙情豊かな筆によって色鮮やかに浮かび上がる…のだそうです。あー、そんなに言われると私も早く読みたい!
今まさに蒸し暑い梅雨時、せめて北欧の情景に身をゆだねて涼を得るのも一興かもしれませんね(^ ^)。
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by pavilion-b | 2010-07-08 22:30 | 絵本と本のこと | Comments(0)