人気ブログランキング | 話題のタグを見る

石山寺


石山寺_f0097528_20305492.jpg先日滋賀県立近代美術館へ行った折、石山寺へも足を伸ばしてみました。




石山寺_f0097528_2036812.jpg開山は天平19(西暦747)年、東大寺開山の良弁によるとされる古刹。琵琶湖から流れ出た瀬田川を眼下に見下ろす、文字通りの岩山上にあります。
石山寺にまつわるエピソードで特に有名なのは、紫式部がここで『源氏物語』の構想を練った(または執筆した)というお話ではないでしょうか。他にも『枕草子』や『蜻蛉日記』『更級日記』等に登場し、女流文学華やかなりし平安時代には、まさにホット・スポットだったんですね。


石山寺_f0097528_20315512.jpgそこで、いっちょ私も俄か文学気分に浸ろうかと勇んで石段を登ったわけですが…。
無理です。暑すぎます。吹き出す汗でずぶ濡れです。文学どころじゃありません。おまけに石段でちょっと膝が笑ってしまいました。

石山寺_f0097528_20321943.jpg国宝の本堂脇には「紫式部源氏の間」なる、紫式部の等身大人形やそのエピソードを紹介する「ロボット紫式部」がいる、ちょっと怖い部屋があります。人形の紫式部は十二単のようなものをお召しになっていますが、いくら平安時代でも真夏はもっと薄着だったでしょうねぇ。


石山寺_f0097528_20323277.jpg境内のところどころに剥き出しの岩場があり、これは「石山寺硅灰岩」といって国の天然記念物でもあります。寺が巨大な岩盤の上に建っていて、いわばこの珍しい岩盤自体を崇め奉っているようにも見えます。
もともと良弁さんがここへ来たのも、奈良の大仏造営に際して仕上げに施す大量の金を探すべく、聖武天皇に命じられたことによります。良弁さんは夢に現れた吉野の蔵王権現様のお告げに導かれ云々…というエピソードがありますが、要するに金(または貴重な鉱物資源)を探査する目的でこの石山の地を訪れたのではないでしょうか。(結果的に大仏様のための金はその後陸奥の国で発見されます。)

石山寺_f0097528_20352346.jpg昔は僧侶といってもお経を唱えるばかりではなく、現在の科学や薬学、医学などに通じる高度な知識と技術を持った最先端のサイエンティストでもあったのだなぁと、どちらかというと文系ではない妄想が膨らんだのでした。
by pavilion-b | 2013-08-07 20:36 | 旅でござんす | Comments(0)