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ちいさいおうち

ちいさいおうち_f0097528_918080.jpg映画『小さいおうち』で黒木華さんが銀熊賞受賞と聞き、え?映画化?と驚いたのは私だけではないはず…



バージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』、そう、頭に浮かぶのはあの名作絵本です。

静かな田舎で移りゆく季節を楽しんでいた「ちいさいおうち」。ところが時代の流れとともに周辺に工場や家が建ち、ついには大きなビルに囲まれるようになり、静かな田舎はすっかり街へと変貌してしまいます。ボロボロになりながらも、ひなぎくの咲く田舎を懐かしく想っている「ちいさいおうち」。そこへ一人の女性が通りかかり…。

私が子ども時代を過ごした家の周辺も、まるきり跡形も無く変わってしまいました。ザリガニやおたまじゃくしをすくった谷は消え、秘密基地を作った山は見る影もなく。自分は本当にここに住んでいたのだろうかと疑問に思えてくるほどです。
きっと「ちいさいおうち」と同じような体験を持たれている方は、大勢いらっしゃるでしょうね。

「ちいさいおうち」はハッピーエンドで結ばれますが、実際はほとんどがそうではありません。ひょっとすると作者のバージニア・リー・バートンも、願望を込め、夢を託してあのようなお話に仕上げたのでは…と思いを巡らせつつ、ふとまた絵本を読み返してみました。
by pavilion-b | 2014-02-18 09:18 | 絵本と本のこと | Comments(0)