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ひかり

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再びジュリアのお話です。(→「ジュリア」)



ジュリアは「おでん」の翌日、改めてお客様として来店してくれました。
朝からレンタサイクルであちこち回ったらしく、ハグをすると彼女の頬はひんやり。
このハグ、日本人には馴染みのない挨拶ですね。少々照れますが、親愛の気持ちが伝わる良い挨拶です。会ってすぐに話を始めたりすると、「まずは挨拶をさせて!」とハグされます。それくらいハグを大事にしています。

この日は晴れたり曇ったりの変なお天気でしたが、
「アンニュイな空がとても美しかったわ」と、さすが写真家。
早速コーヒーを淹れると、隊長のハンドドリップをじっと眺めています。もともとドリップは欧州が本家で、日本でも有名なメリタなど、ドリップ器具もドイツ生まれのものが多いのですが、現在のドイツではマシン抽出が圧倒的多数でハンドドリップはほとんど見ないとか。ちなみにジュリアは自宅で飲むときはマキネッタという器具を使っていました。

コーヒーを片手に話をしていたら、いつの間にかスマホの話題に。
「世界のいろんな国に行くけど、どこでも若者はスマホにaddictedよ」と言って苦笑します。ヨーロッパも中東もアフリカもアジアも、どこも同じですって。
「addicted」は「中毒」。宇多田ヒカルの歌にありましたね、「addicted to you」。この場合は「君に夢中」とか「あなたに首ったけ」とかになりますか(日本語だと歌謡曲っぽくなっちゃいますね)。

話の最中にふと、ジュリアが「いま撮りたい」と言って急にカメラを撮り上げました。ちょうど雲間から光が射して、店内にも白い日差しが漏れてきた瞬間でした。さっとベランダに上がって撮った写真などを見せてもらうと、窓際にいた私たちに絶妙な具合に光が当たっていて、さすが、と唸らされます。とにかく光の動き、変化に敏感なのです。
現在制作中の新作は、アイスランドでの新しい取り組みだといってすこし見せてもらいました。こちらも機械性と詩情が共存する不思議な感覚の作品です。また日本でも作品展をやって欲しいな。
by pavilion-b | 2016-12-11 08:31 | Comments(0)