行ってみないと、わからない。

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わかるということは、わからなくなるということ。



原研哉『デザインのデザイン』の冒頭に、そのようなことが書いてありました。ものごとがわかるということは、すべてを理解してストンと納得するというよりも、そのものの本質を問い直すことで「よりわからなくなる」ことではないかという、わかるようなわからないようなお話。

しかし確かに、ものごとはそんなに簡単にわかるものではないと思うのであります。何でもかんでもスピーディーで、サクサクッとコンビニエントな時代ですが、答え合わせよりも問いかけに重心を置けば、流されることなく地に足を着けていけるのではないかと。

そんななんちゃって哲学に耽ってしまうときや、場所というのがあります。
先日訪ねた東吉野の私設図書館ルチャリブロもそう。とにかくまず、何処にあるのかがわからない(笑)。25年前のツーリングマップを使うのもどうかとは思いますが、電話をして案内された通りに進んでみても、一見そこには奥深い森と冷たそうな谷川しか見当たりません。よほど目指して行かない限り、そこに人家があろうとは、ましてや図書館があろうとは思いもよらない場所です。

「なぜここに住もうと考えたのですか?」
「なぜこの場所で図書館なんですか?」
自然に「?」が浮かぶでしょう。たぶん訊けば、おだやかな館主はていねいに答えてくれると思います。でもそれを安易に求めるより、自分自身をその場に置いてみて、問いをじっくりとほどいてみるほうが面白そうです。
あ、ちなみに館主は人間ではありません……

人文系私設図書館ルチャリブロ
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by pavilion-b | 2017-07-31 07:55 | 旅でござんす | Comments(0)