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古本屋さんの本を読む

古本屋さんの本を読む_f0097528_719033.jpg思い返してみれば、同業者さんの著作は古本屋を始める前に数冊読んだだけで、その後はとんとご無沙汰でした。ところが訳あって県立図書情報館で倉敷のことを調べていた隊長が「検索してたらこんなのも出てきたよ」と、一緒に借りてきた『わたしの小さな古本屋』田中美穂(洋泉社)を読ませていただいたところ、これがとても面白くて一気に読んでしまいました!



苦労話や失敗談は「そうそう、そうなよ~」と頷くところも数多く(^ ^)。自分がお店を始めた頃のことをいろいろ思い出したりして、懐かしい気持ちになりました。
著者は倉敷で18年も古本屋さんを営業されているだけあって既に経験も人脈も豊富なのですが、たいへん謙虚で、そんな話もしちゃっていいのかしらと心配になるほどざっくばらんな内容です。でもきっとそういう自然体な姿が、お客様を惹き付ける魅力になっているんだろうなぁ。

「自然体」って、実は自信があるからこそできるものではないかなと思うのです。女手一つ、失敗や試練にもめげず一生懸命にお店を続けてきて、いつしか自分を自分で認める気持ちというか、気が付けばしっかりと両足で地面を踏んでいたというか…。自分らしくあろうと意識すると力みが生まれますが、力みが消えたときいつの間にか自分でしかなくなっているような…。
私はまだまだ修行が足りないことも自覚しつつ、女性店主の先輩が奮闘されている姿を垣間見てすこし勇気をもらいました。

『わたしの小さな古本屋 倉敷「蟲文庫」に流れるやさしい時間』田中美穂(洋泉社)
by pavilion-b | 2012-07-05 07:20 | 絵本と本のこと | Comments(0)