消えたクレヨン


f0097528_20433371.jpg洋書絵本を販売していると偶然原書と翻訳本が揃うことがあります。そんな時ちょっとした違いを見つけて驚くことも…



ハンガリーを代表する絵本作家マレーク・ベロニカのこれまた大ベストセラー「ラチとらいおん」もそんな1冊でした。
右の写真の上段は1974年版「Laci es az oroszlan(ラチとらいおん)」(パビリオンブックスでご紹介しています)です。ちなみに同作の初版は1961年。
そして下段の日本語訳版と比べてみると…、表紙色の違いはもちろん、ラチが手に持っている箱の中身にご注目!これは本文中にもあるシーンで、真っ暗な部屋に入るのが恐くてたまらないラチがらいおんの助けをかりて無事部屋からクレヨンを持ち帰る場面です。
…ということは1974年版のクレヨンがあるのが本当で、日本語訳版はクレヨンが抜けてしまったのかしら?
ちなみに日本での初版はハンガリーでの初版より4年遅く1965年です。
更に詳しく見てみると、日本語訳版は中頁を表紙にも使っているのが分かりますが、1974年版表紙はどうやら本文とは別に描かれた絵のようです。ラチの靴下の色や、らいおんの輪郭がちょっと違しますしね。まるで間違い探しみたいですが、比べてみるとよく分かります。
一体なぜでしょう??


f0097528_2044980.jpgとそんな折、1961年初版の画像を見つけました!なんと表紙は黒く、クレヨンが無い!
つまり日本語訳版は本国の初版に忠実であったのに対し、本国の1974年版はなぜか表紙の色も使われている絵も違うということになりますね!?何があったのでしょうか。
なおベストセラーなのは本国でも同じで、現在も再版を重ねていますが、そちらは黒い表紙で日本語版と同じ感じです。とすると1974年版が特別なの?いつ元に戻ったの?謎は深まります…。
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by pavilion-b | 2012-07-13 20:46 | 絵本と本のこと | Comments(0)