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津山トランジット


津山トランジット_f0097528_19304738.jpg先週の岡山旅行では、まず最初に津山を訪ねてみました。
岡山県北部、美作地方の中心都市で、人口約11万人と県下第3の都市でもあります。戦国時代に活躍した森忠政(織田信長の小姓、森蘭丸の弟)によって築城され津山藩が興り、以降出雲街道の宿場町としても栄えました。





津山トランジット_f0097528_19311724.jpg何かで調べた際にチラッと目にした「津山出身の有名人」というデータに、稲葉浩志(B'z)、オダギリジョーとあって、「すわ、津山は美男子の里か!?」と密かに色めきだっていたのですが…。
人影はほとんど無く。ま、朝早かったですし、平日で、しかも夏休みの最後の最後で、みんな追い込みに必死で…。
僅かな滞在とはいえ、ともかく静かな町でした。「日本さくら名所100選」にも選ばれている鶴山公園(津山城址)はお花見シーズンには各地からの見物客でたいへんな賑わいを見せるそうですが、私たちが見た城山はまさに「兵どもが夢の跡」。濃い葉を茂らせた桜の木々がさらさらと風に揺られていました。

唯一お話した地元の方は、作州城東屋敷という施設の管理をされていたおじさん。
城東町並み保存地区という一角にある日本家屋なのですが、何気なく入った隊長がさっそく梁などを眺めているのを見て、「これは元あった建物を保存、復元したとか、地元の伝統的建造物を再現したというものではありませんよ。柱も(古色っぽい色は)塗ったものですから」とアッサリ機先を制されたのでした。
ふつう町並み保存地区で案内をされるような方なら、ちょっと尾ひれをつけてでもおらが町自慢をしたくなるものですが…。これは面白そうだということで、おじさんに招かれるまま奥の部屋の襖絵も見せていただくことに。


津山トランジット_f0097528_19313442.jpg「これを描かれたのは地元の画家(河野磐氏)です。あっちに美術館があったでしょ?そう、そこの人です。去年亡くなられましたが…」
不思議にも説明を聞く前に、一目で地元の風景を描いたものだと直感しました。簡素な筆致の田舎道と畑、その先に雪化粧をした峰、そして季節の花々が配されています。そのいずれもが、身近に暮らした人の五感によるものだと感じたのです。

往時の宿場町は却って時代の流れを物語り寂しげでした。でもそれは通過する旅人の一瞥に過ぎないのも事実です。ゆっくりと時間をかけて眺めなければ見えないもの、郷里の人にしか見えない風景があるということを、襖絵は静かに語っているようにも思えました。


津山トランジット_f0097528_19323721.jpgちなみに襖絵のある部屋は演舞用の舞台なども備えられていましたが、習字の半紙が張られていたり、ふだんは公民館的な利用をされているようです。広々した部屋の隅に囲碁の盤が2つだけ用意されていて、午後には愛好家が打ちに来られるのだと教えてくれました。
おじさんはその後隣のだんじり展示館にも案内して下さいました。小型バスくらいの台車両に乗った立派なだんじりが4台も並んでいます!運転席やハンドルまで付いているので、てっきり車で引っ張るのかと思いきや「いやいや、人が引くんですよ」と事も無げに仰っていました。


津山トランジット_f0097528_19415789.jpgさらにそこから鶴山公園へ戻る道すがら、見つけたのがこちらの千代稲荷神社。→
歩行者専用の赤い鉄橋に惹かれて、導かれるように境内へ。

津山トランジット_f0097528_19421353.jpgすると、何やら珍しい絵柄が彫ってある??


津山トランジット_f0097528_19422544.jpgこっちにも??
津山、ただ通り過ぎるだけでは勿体ないかもしれない…
by pavilion-b | 2012-09-04 19:42 | 旅でござんす | Comments(0)