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春の便り

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まだ吹く風はつめたいものの、陽射しは徐々に力強くなってきました。



草木はいち早く察知していますね。見ると、裸の枝先にもポツポツと可愛い芽が膨らんでいます。お店の鉢植えや前庭でも、ユキヤナギや紫陽花、クコ、コデマリが緑の芽を並べて準備万端です。沈丁花の花も、ばくはつ寸前。今週後半は気温が上がるという天気予報なので、いよいよ咲くかもしれません。

春は次々と咲く花にこころが浮き立ちます。きびしい冬のあとだけになおさらです。
あれもしよう、これもしなくちゃと、アレコレやりたいことも浮かんできます。いつもそう思ってふわふわしているうちにどんどん季節が進んで、気が付けばもう暑くなり始めるのですが…。

遠くの人にお便りを、それも春のよろこびを添えられる絵はがきでと思って探していたら、とてもいいものに出会いました。
botaniko pressさんの絵はがきやレターセットは、活版印刷機で一枚ずつ丁寧に制作されています。身近でなじみ深い草花が古い植物図鑑のような温かみのある絵柄で描かれ、指先から微かな凹凸が伝わります。ワスレナグサ、スミレ、スズラン、ミモザ、クリスマスローズ…。可愛い柄をたくさん仕入れましたので、ぜひお店で手に取ってお選びいただければと思います。

昔の小説や随筆を読んでいてよく思うのですが、小説家に限らずみんなよく手紙を書きますね。ちょっとした用事でも、何気なくサッとはがきを出します。それに対して、簡単な一言の返事でもはがきで返されてきます。その間、数日や数週といった時間が経っているわけですが、不思議と不自由している感じがしません。たとえ返事が来なくとも、それはそれで「来なかったな」と案外アッサリ受け入れています。そういうこともあるさ、と。
振り返って今は、しようとおもえばすぐにでも連絡できる時代ですが、却って相手の気持ちを推し量ることが苦手だったり、億劫になったりしている気がします。相手を想って、手紙を書いて、ポストへ出して、しばらく待って…。そういう時間の過ごし方を、もう一度見直したいですね。
by pavilion-b | 2016-02-09 19:31 | Comments(0)