2017年 08月 23日
蝉しぐれ
夏は去りつつありますが……
アツい。まだまだ。
今夏はまた格別に暑かった。なんでも東京あたりは雨ばかりだそうですが、ここ奈良ではもうずっと猛暑日かつ熱帯夜。それが当たり前で疑う余地がないほど、連日太陽がガンガン照り続けています。
そしてこの暑さをさらに増幅するのがセミ。私の住むところは緑が多く、それはとてもいいのですが、この季節だけは返り討ちにあっている気がします。
セミは朝5時すぎには鳴き始めます。それもシャシャシャシャシャシャシャシャ!という、遠慮も情緒も無い大音量で。いわゆるクマゼミの大合唱。
近所でもクマゼミのいる場所といない場所とでは全然ちがうので、身近でない人には「まあ、セミくらいは、夏の風物だし」と微笑混じりにいなされますが、いやいやそうじゃない。騒音です。デシベルです。軽く体調を崩すレベルなんです。
「セミは成虫になったら一週間しか生きられないっていうから、大目に見てあげたら」という人もいます。私も以前は半分そう思っていました。
でも、どうやらそうじゃないらしい。セミの成虫が一週間しか生きられないというのは俗説で、捕まえて飼育してもその程度で死んでしまうためにそう思われてきたけれど、自然の中では一か月くらいはふつに生きるんだそうです。なんだ、ひと夏じゅう元気なんじゃん!
しかし先日、お盆も過ぎて、ようやくその大合唱にも翳りが見え始めました。朝鳴き出すのは遅くなり、午後も気がつけばシンとしていることが増えてきました。足下を見ればあちこちに拝むような恰好で転がってたり。ああ、夏もいよいよ終わりだと、ホッとします。
そんなときふと、騒音とは全然違う控えめな音量でツクツクボウシが鳴き始めました。ああ、やっぱり季節は進んでいるんだな、と改めてホッとしながら耳を傾けます。そこでハッとしました。ツクツクボウシだとよろこんで拝聴しているんですよ。情緒だとかいって。
知らず知らずセミ差別してる、と気づかされました。
by pavilion-b
| 2017-08-23 18:59
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