2018年 02月 14日
大阪うどん
大阪でうどんを食べました。
場所は日本一長いアーケード商店街、天神橋筋商店街。
ちょうどお昼どきで、軽装で出て来たサラリーマン、OLさんらがいっぱいです。さっそく行列ができているラーメン店や洋食店、いい匂いをさせながら前でコロッケを揚げている店など、慣れない私が誘惑されまくっているのを尻目に、みな勝手知ったる足どりで次々と目当ての店に吸い込まれていきます。
私たちはうどん屋さんに入りました。運良くすぐに座れましたが、そのあと入って来た人は入口横の椅子で待つことに。店内はすでに戦場のようです。
席に着くとサッとおばちゃんが現れ、お茶を出しながら「ご注文は」。しかし慣れない客と見るやスッと消え、他の客に品出ししたり空いたお膳を下げたりしています。急いでメニューを見て時間の掛からなそうなものから選び(このへんは飲食業の性)、さて注文、と顔を上げたらもう、おばちゃんが来ていました。
おばちゃんは厨房に向かって短縮形で注文を告げます。厨房には男性が一人。特に返事もしないのですが、目と顎の動きでおばちゃんとは呼応している様子。
そうこうするうちに隣テーブルの客が入れ替わります。中高年の男性が二人。一人は背広で、もう一人は作業着。ずっと仕事の段取りのような話を続けています。そこへまたおばちゃんがやって来ると、二人は目を向けず、口調も変えなかったのですが、おばちゃんはサッと踵を返してまた短縮形で厨房に伝えます。え、いつ注文言った??
やがて私たちの品が来たので、ハフハフと食べ始めました。聞いてはいたものの、こういうところではきつねうどんとかつ丼とか、天ぷらうどんにそぼろ弁当とか、とにかくふつうなら2食分のメニューがセットになっています。それも別にハーフサイズとかではなく。さすが粉もんのメッカ大阪、炭水化物ダイエットなどという戯けた言葉は存在しません。
でも、美味しい。やわらか麺によくお汁が染みて、ああ、やっぱり讃岐でなく大阪のうどんも捨てがたい、とホクホクお腹が笑います。
ふと見れば、隣の二人は私たちより後に運ばれてきたセットメニューを、あっという間に完食してる!? いつの間に? 何口で??
そして来た時と同じく、仕事の話を続けながらサッと立ち去りました。その間わずか10分弱。また風のようにおばちゃんがやって来て、何事もなかったかのようにテーブルは片付けられます。よく見るとさっきのおばちゃんではなく、エプロンも付けていないふつうのおばちゃん……。あれ? さっきまでカウンター席で食べていたお客さんでは?? 客と店員の境目さえ自由自在なうどん屋。
変わって隣の席には若いサラリーマン二人が座り、今度は一転してケラケラと笑いながら賑やかに喋り続けています。ほんとにずっと、肩を揺らして、食べる間も大笑い。
大阪劇場おそるべし。
by pavilion-b
| 2018-02-14 18:25
| 食いしん坊万歳
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