サイズの謎

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「名刺って、なぜあのサイズなんですか?」



名刺サイズといえば91×55mm。例外もあるかと思いますが、ほとんどの名刺はこの標準サイズで作られています。ではなぜ、そのサイズなのか?
先日お店で、ふとそんな問いが投げられました。別に知らなくてもどうってことはないけれど、気になり始めると何だか放っておけないことってありますよね。その場にいた人たちも同じだったようで、各々に頭をひねったり、スマホをいじったりして考え始めました。

「紙の面付けの都合じゃないですかね?」
印刷に詳しい方が言います。つまり菊版などの原紙から切り出すとき、もっとも無駄がないように切ることが望ましく、我々がよく親しんでいるA版、B版といったサイズも原紙の幅の何分の1といった規格で決まるといいます(厳密には若干ちがう)。
従って名刺のサイズを倍、倍と乗じていけば、原紙のサイズになるのではないかと。少なくとも印刷するときに無駄なく割り当てられる大きさになるのではないかと。

「じゃ、原紙のサイズはどうして決まったんですか?」
無責任に思った疑問を口にする隊長。「なんででしょうね?」と再び首を傾げ始めた皆さんをよそに、「こうロール紙を、両腕を広げて持てる最大サイズとかですかね? ほら、米俵も大人が担げる最大の質量だとかいうじゃないですか」と勝手に脱線していきます。

「いや、検索するとですね」
さすが、今やネットで何でもすぐ解決。
「尺貫法が主流だった時代に長辺(91mm)が3寸と決められ、それに対する黄金比率から短辺(55mm)が決められたようですよ。そんなふうな解説が出てきます」
なるほど! 黄金比率ですか。確かに名刺は見た目にも納まりがいいですよね。
「ほかにはシャツの胸ポケットにちょうど納まるサイズだから、とかいう説も」
ははーん。胸ポケですか。なるほど、それも一理あるかも……

「胸ポケ? じゃ、胸ポケのサイズはどうやって決まったんですかね?」
と、またもや蒸し返す隊長。
「タバコじゃないですか?」
「いや、昔はタバコも葉巻とかでしょ? 今みたいな箱入りはたぶん胸ポケより後ですよ。むしろ胸ポケのサイズに合わせて紙巻タバコのサイズは決まったのかもしれませんね。手帳もそう。じゃ胸ポケがサイズの決め手だとすると、あれがなぜあの大きさなのかが大問題ですよ」
このあとサイズ問題はついに建築にまで発展しながら、カフェの夜は更けてゆくのでした……
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by pavilion-b | 2018-03-21 07:30 | Comments(0)