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サクラサク

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今年は天候のめぐりも良く、例年よりも長く桜を楽しめました。



三月の初旬ごろは暖かい日が続いて、「今年は桜も早いかもね」などと話していました。ところが中旬から寒の戻りが続き、ようやく咲き始めてからも肌寒い日が多かったですね。おかげで川沿いの桜並木もグラデーションのようにゆっくりと咲き進んでいきました。
見るたびに「まだ咲き始めだね」「まだまだ二、三分」「やっと五分かな」と楽しみが先延ばしにされつつ、それはそれで悪い気はしませんでした。

さていよいよ満開という日柄はちょうどお休みと重なり、ふだん行かない場所へ行ってみることにしました。そこは特に名所というわけでもなく、以前から冬に何度か通ることがあって、なんとなく風情のある桜並木が気になっていたのです。ちょっと昔のニュータウンの中の、細長い形をした公園です。ニュータウンといっても桜の幹からしてもう40年くらいは優に経っていそうなのですが。

有名どころでないだけに訪れるのはほとんど近所の人たちのようでした。
杖をついてゆっくり歩く女性と、その腕を支えて歩く女性。立ち止まってはじっと花を見上げています。
その向こうから歓声を上げながら小さな姉妹が走ってきました。満開の桜にテンションが上がったのか、全速力で競争しながら飛び去っていきます。
ママさんたちは芝生に腰掛けておしゃべりに夢中。お菓子とお茶もちゃんと持ち寄って、何時間もいける態勢で。横の広場ではバトミントンをしている親子もいます。

一人の男の子はみんなの輪から離れて、しゃがんで何かを熱心に見つめています。その横で散った花びらがつむじ風に乗ってクルクルと踊っています。頭上ではヒヨドリたちがピョーピョー鳴きながら、忙しなく枝から枝へと花を突いて回ります。
自転車に乗った子も来ました。キックボードでそれを追いかける子、さらに小さな子はバタバタと走って追いすがります。桜吹雪が大きく舞うたびに歓声を上げながら。
子どもたちの様子を見ながらベンチで微笑んでいるお爺さん。フェンスの向こうから物言いたげにこちらを見つめている柴犬。また新たにやって来たサングラスの夫婦。
思い思いに過ごす人たちの上を、花びらはつきせぬ泉のように降り続いていました。
by pavilion-b | 2019-04-18 07:14 | 奈良さんぽ | Comments(0)