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百日紅

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花を見て自ずと誘われるのは、考えてみれば不思議です。
人間と虫は太古でつながっているのでしょうか。



花のないときは素通りしていたのに、花が咲いたおかげで改めてそれに気がつくということ、ありませんか?
先日やっと暑さが落ち着いてきたので、ようやくちょっと回り道でもという気になったのです。この時季なら大乗院庭園の百日紅が咲いているはず、と気ままにならまち界隈へ足を向けました。
すると、途中のお寺の塀越しに見事な百日紅。濃いピンクの花がすこし秋めいてきた青空に映えています。

そういえばここの池には蓮がたくさんあったはず、と境内を窺ってみると、池の周囲にはすっかりカラカラに乾いた蓮の実が林立していました。夏が見ごろとは知りながら、酷暑に尻込みしているうちに花は終わってしまったようです。
ああ残念と門を出れば、すぐお隣はまた別の寺。門が開いています。ふだんも開いていたかな? 失礼しますと呟きつつ、そーっとお邪魔します。
そうしたらこちらでも参道に水鉢が並べてあり、蓮が植わっているではないですか。ちょうど花を咲かせている株も。ああよかった、間にあった。すぐ横では青黒い種を孕んだ生々しい蓮の実が、お化けみたいな顔つきで俯いています。

水鉢の中に光るものが……メダカだ! あっちも、こっちも。鉢の水はとても澄んで静かです。メダカはバックもできるんですよね。長閑に泳ぎながら、しきりに蓮の根のあたりをつついたり。
よく見ると、どの水鉢にもみちっと肥った元気そうなメダカが泳いでいます。それで水がきれいに保たれるのでしょうか。改めて境内を見渡してみると、砂利は掃き清められ、草も生い茂ることなく、とても清潔に整えられています。お墓がたくさんあるので、お盆からお彼岸にかけてお参りの方がいらっしゃるのかもしれません。

どうやら入ってきたのは裏門のようです。反対側に表門があり、出たところがよく見知った場所だったので驚きました。ああ、こういうふうにつながっていたのかと。
十数年散歩していても、まだまだ知らない道があります。
by pavilion-b | 2019-09-04 07:20 | 奈良さんぽ | Comments(0)