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蒸気機関車のような

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15年で、思わぬ変化が。




ある日突然、ガスコンロの火が点かなくなったのです。電池を換えてみても反応はなし。
ガスは出るので急遽マッチ着火で凌ぐものの、それも一口しか使えず鍋とフライパンを交互に入れ替えながら使ったり。当たり前が当たり前でなくなった途端、その有難味を痛感させられます。
翌日大騒ぎして検討し、結局ネットで注文。2日後には到着しておおいに助かりました。

で、感謝も感動もしてるんですけど、あー、と思うこともあって。
新旧とも同じグレードの一番簡素なタイプで、それはそれで全然いいのですが、各部品まで簡素に、いわば軽くなっているのにびっくりしたのです。
たとえば「ごとく」。古い方はガッシリしたいかにも鋳鉄ですが、新しいのは薄い鉄板を針金でつないだような作りで、軽くてちょっと頼りなげ。

それにバーナーキャップ。あの火が出る部分も、一見同じようだけど手に持つととても軽い。
古いのはひんやりとした鉄塊がずっしり重く、文字通り「質実剛健」の気が伝わってきます。「オ ク」と刻印された浮文字(たぶん置くときの位置を示す「奥」の意。)もいじらしい。一方新しいのはツルンとして字など一切ありません。

例えるなら古いほうは蒸気機関車、新しいのはさしずめ新快速。改良が進み軽量化してシュッとしたんだけど、振り返ってみれば古いのはまだ人間味があったなあと。
部品を手にその質量をしみじみ味わいながら、長年使い続けた蒸気機関車コンロにますます愛着が募っても来るのですが……。
捨てがたいとはいえやはり使えないコンロ。せめてごとくとバーナーキャップだけでも残しておこうか、いやいやけっきょく場所塞ぎか。

先代ガスコンロには何といっても忘れられない思い出があります。
ずいぶん以前にもブログに書いたかな。火力が弱くなる不調で修理に来てもらったときのこと。おじさんが軽やかな手つきで要所の部品を掃除すると、難なく問題は解消。そのうえ「自分でもできるよ」とやり方を教えてくれ、最後には「何にもしてない」と出張費だけで修理代は取らずに帰っていったという……。作業着の背中がピカピカに光って見えました。
温度センサー無しの最後の機種で、その点がむしろ使いやすく気に入っていました。修理のおじさんも「大切に長く使ってね」と微笑んでいたなあ。
15年間、毎日どうもありがとう。おつかれさまでした。

by pavilion-b | 2020-12-24 07:38 | Comments(0)