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夢のあと

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お天気のいい休日、いつもとはちょっと違うコースを歩いてみました。




あれ、こんな景色だっけ? 広い駐車場のある新築アパートに違和感を覚え、隣接する小さなお社を見て、あ、そうかと。まちがいなくここは重厚なレンガ造りの医院だったところ。確かにずっと閉まったままだったけれど、いつのまに……。

そこだけではありません。ちょっと見ないうちに、さりげなく建て替わったり、更地になったりしたところが幾つも目に付きます。
さらに進むと、工事現場がありました。新築工事が始まったばかりの模様。びっくりするほど広い敷地で、地面には砂利が敷かれ、ところどころ掘られた穴にコンクリートの基礎が固められています。マンションほどでもない、でも個人宅にしては大きすぎる。それにしてもこんなに広い土地、前は何だっけ? と首をひねり、ハッとしました。

この前の道で、ちょうど一年前ばったり友人に出会ったのです。わたしは自転車で、マスクに帽子姿の友人とその小さな娘さんに気づき、慌ててブレーキを掛けたのでした。
「大丈夫? 元気にしてた?」
「いやあ、元気は元気。大丈夫。でもマスクが買えなくて。今も向こうのスーパーを見てきたんだけど」
「うちの近所のドラックストアも、開店前から長い行列だった」
「うわあ……。この子もせっかく公園デビューして、同年代の友だちができ始めたとこだったのに、遊びに行けなくなってストレスが溜まっちゃって」

そんな立ち話をしていたとき、横にどんな家があったのか。記憶はぼんやりと霞んでいます。ただちょっと古ぼけたモダンな平屋で、草木が生い茂りフェンス越しにピョンピョンはみ出していた残像が朧げに浮かんできました。そうか、そんな感じだったかも。人の気配は薄いけれど、植物がむしろ活き活きと精気を放っていたような。
そうか、あれからもう一年か、としばらく工事現場を眺めて、また歩き続けました。

by pavilion-b | 2021-03-28 07:50 | 奈良さんぽ | Comments(0)