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ダジャレ考

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ラジオを聴いていると、いつも感心するんです。



リスナーさんの、ラジオネーム。
時事ネタを盛り込んだり、有名人や名作をもじったり、シャレが効いて、のっけから掴まれてしまいます。
そして、とかく関西はレベルが高い。これは旅先でラジオを聴くと改めて痛感します。だって関西以外ではごくふつうに可愛いのとか、ふだんから呼ばれているであろうニックネームとか、意味不明な記号番号的なものとか、何だったら本名とか、要するにそこで笑いを取りに来ていない名前が少なくないから。

関西の場合、明らかにリスナー同士がそこ(名前)で鎬を削っている感があります。そのハードルを越えないと、そもそも読まれない気配も。
思い出します。関西に来てまだ間もないころ、女の子が「彼氏に『おもろない』っていう理由でフラれた」と話すのを聞いて衝撃を受けたこと。彼氏彼女の間でさえ、そこが要求されるとは……。
(ついでにそういう会話が電車の中などでふつうに聞こえまくっているのも衝撃でした。)

とはいえラジオネームでも、冷静に聴くとさほどでもないというか、ただのダジャレじゃん、というのもあります。あ、今のすべったな、とか。
でもそこはDJもよく心得て、きれいにサクッと拾ったり、ちょっといじって笑いに転換したり、じつに懐が深い。情も深い。たぶんリスナー同士も基本的にはやさしいのです。そういう空気が、全体にいいグルーヴを生むのだなと。

考えたら、ダジャレってむしろ笑えるんですよ。上手いシャレは笑う以上に「オーッ」「すごい」と感心するけど、ダジャレは「失笑」も含め結果笑えます。笑ったら負け、みたいな空気がかえって腹をくすぐる、みたいな。
ダジャレは面白くない、白けると忌避しがちなのは、実はダジャレ自体の罪じゃないと思うんですよね。言うタイミングだったり、キャラだったり、たとえばしつこいとか、要は出し方と、受け手の寛容さの問題で。

……とダジャレについての真面目な考察を装い、最近年齢のせいかダジャレが増えた気がする自分自身を擁護しているだけでした。失礼。

by pavilion-b | 2021-04-29 07:03 | Comments(0)