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ネギタツ

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ネギが、立ってる……



道端に。
夕暮れ時、急ぐ人、のんびり歩く人、自転車の人、みな思い思いに通り過ぎます。でも誰もネギのことは気にしません。まるで目に入らないように、俯いていたり、表情も変えずに行ってしまいます。
ネギがそこにバタッと倒れているなら、まあ誰かが買い物帰りに落としてしまったんだな、で済むかもしれません。でも、立っているんです。壁にもたれて。
ちなみにネギは白ネギです。先のほうが緑で二股の、2本がテープで巻かれて束になったやつ。スーパーで時価158円くらいの。

たぶん路上に落ちたネギを見て、とても捨て置けなかったのか、もしかするといったん通り過ぎかけて、やっぱり気になって拾いに戻った誰かが、立てかけて置いたのではないか。おおかた主婦のようで、買い物をして帰る中高年のサラリーマン、という線もあり得る。壁に立てかけるという行為に、若干男性の匂いがしなくもない。
そもそも落としたのはどんな人なのか。ネギを落として、気づかない人。案外若い人か。スマホに夢中で、とか。あるいは自転車の後ろ籠……。
ふと、ある法則(?)が浮かびます。「買い物袋にネギが刺さっている人に悪い人はいない」

さてネギは、このあとどうなるのか?
夕餉の支度を始めた落とし主が、あれ? ネギ買ったはずなのに? と首を捻り捻り、探しにやって来るか。いや、自分だったら「買う予定だったけど買い忘れた」と解釈して、またスーパーへ行ってしまいそうな気がする。
それに必ずしも落とし主が拾いに来るとは限りません。ネギだけに、誰のものかを明確に示す根拠はないし、「あらやだ、ちょうどネギ切らしてたわ」「このままダメになっても勿体ないし」「雨降りそうだし」とか何とか、ともかく誰かが持ち去る可能性もなきにしもあらず。

それにしても、相変わらず誰も気にも留めません。
鹿がすぐそこを歩いていても驚かない胆力を持つ奈良の人は、ネギくらいではビクともしないのでしょうか。

by pavilion-b | 2021-05-27 20:00 | 奈良さんぽ | Comments(0)